自分がプログラムを遊び的に書けるようになって(少なくとも仕事で使うようになって)数年が経った。
22歳まで音楽漬けで、派遣を経て23歳で入社したのがCompsiteという会社で当時はドワンゴの100%出資会社で入社間もなくドワンゴに統合された。
で、少なくとも入社当時はタッチタイピングができずcssとhtmlが書ける程度だった。(ドワンゴは去年退社致しました。)
で、ドワンゴに入社する直前ぐらいからプログラム的の重要性を知り、勉強しようと思った。
もちろん、それより以前にhtmlとcssを勉強する際にperlにも手を出してみようとvinelinuxを入れて失敗してみたり、自分には一生無理だと思っていた。
というか、プログラムができる人間なんてのは自分には無縁で、人種自体が違うんだと思っていた。
ドワンゴ入社前、派遣をしていた時短期契約でいくつか会社を周る機会があり、その中で大きな転機が訪れた。
Aさんとの出会いだ。
Aさんは、Adobe系のphotoshop、Illustrator、InDesignはもちろんCorelのPainterから当時は珍しかった(と思う)MAYAやshadeの3Dモデリング、ドット絵からfontの作成までなんでもできる人だった。
しかも、作品の作成スピードとクオリティが半端ないという、まさに「プロフェッショナル」だった。
もちろん、当時の自分からすればとんでもない人であり、30歳を手前にした今でも彼女と同等の高スキルのデザイナーさんを現場で見たことはない。
そのAさんが、昼休みにエディタの話をしていて、デザイナーさんでもエディタにこだわるんだなぁと思っていたら、「プログラムを書くのに適したエディタは何だろう?」という話だった。
正直、デザイナーの人がプログラムをやるという意味が分からなかった。
転職でもして、プログラマーにでもなるのか?と思った。
ところが、話を聞くとプラグインやマクロを書くという場合に必要になるという事だった。
当時の自分は、マクロという言葉を理解しておらず、プラグインというのは「DLするか、買うか?」の二者択一しかなく、「自分で作る」という概念は存在しなかった。
その派遣先を辞める際に、その質問を投げかけてみた。
その時、返ってきた言葉が
「線画、塗り、レタッチ、パスやベジェ曲線、ドット絵、CAD、モデリング、3Dが出来て当たり前、それをスピードよくこなすマクロやプログラムが書けてやっと半人前」
「どこのメーカーのインクはどのような特性があって、どのスキャナで取り込みとどう変色してメーカー事のディスプレイでどう見えるのか? が分かって2流」
「これぐらいできないと、IT業界でデザイナーとして食べてますなんて言えないよ。」
これらの言葉でプロの厳しさを知ったと同時にIT業界で生きている自分の中での金言になっている。
ある程度CG技術を学んだ人間なら分かると思うが、まず紙に絵を書くのと同じクオリティでタブレットとpainterで水彩や、油彩のように書けるようになったり、photoshopを他人が分からない修正を行えるようレタッチできるまでにはそこそこの時間がかかる。
それにベジェ曲線でpathを操れるようになり、やっと少しまともな2Dの「絵」が書けるようになる。
そこにフィルタや空間認識能力を上げて行く事で2Dでのリアルモデリングや3Dができてくるようになる。
また、ドット絵やfontを作成する技術は、これとは別だし、そこまでのオールラウンドなスキルを業務レベルでできるようになるのにそこそこの時間がかかる。
彼女は、これにプログラムができて当然で、それで半人前とは途方もない道だなと思った。
と同時に、デザイナーでもプログラムスキルが当然ならば、時分も身に着けなければならないと思った。
それから数年経ち、プログラムがある程度分かった時、業務時間の効率化にはマクロやプログラムが重要だと思った。
IT業界以外では○さんが10年かかる仕事を寝ながら一瞬で終わらせることができる唯一の業界だと思う。
そうなるにはPCを本当の意味で使える人にならなければならない。
偶然に、IT書籍のコーナーでAさんに遭遇し、自分が手にとってる本を見て「お、かなりスキルアップしてるようだね」と言われた。
そりゃぁ、HTMLとCSSしか知らない自分と今の自分じゃさすがに戦闘力違いすぎる。
「今、何やってるの?」と言われたのに、今までやってきた事と、当時の言葉が印象に残ってると言うことを伝えた。(もちろん今の仕事の内容も。)
「そっかプログラム、サーバーやDBの知識も結構ついたんだねぇ。まぁ業界で生きる人間っぽくなってるじゃん」と言われて少し嬉しかった。
というか、普通にさくらのVPSの話をされた時に、デザイナーと話してる気分がしなかった。
あと、「kuro君はHTMLとCSS書く速度だけは異常だったからねぇ、今のkuro君ともう一度仕事してみたいよ」と言われた。
ぶっちゃけ、心の中でガッツポーズしたのと同時に、もっと頑張らないとなぁと思った。
なんか、こう書くと非常に誤解を招きそうだけども、事実だからしょうがない。
仕事のスピードを精度を上げる為に、人にお願いする際、専門用語でお願いした方が早い場合があるし、その仕事が分かると依頼もしやすく、気持ちが分かるので衝突も起きにくい。
今日は、プロフェッショナルという言葉を改めて考えさせられたし、プロフェッショナルになるべく頑張ろうと思った。