さて、某大手携帯コンテンツ会社で働いていた自分が書ける範囲で「なぜ自分用携帯待ち受けを作るのか?」なのですが。
世に言う携帯サイトには2つあります。
1つは各携帯のキャリア(docomo、AU、Softbank、willcomなど)から認められた「公式サイト」で各キャリアに申請し審査を通過した上で運用しているサイト。
もう1つは、審査のいらない「勝手サイト」(一般サイト)と言われるものです。
公式サイトには月額料金やDL毎に課金がかかったりする形体が多く、勝手サイトは広告収入やアフィリエイトで運営資金を賄っているところが多いわけです。
で、勝手サイトなんですが所謂「著作権や肖像権を無視した」グレーやブラックなコンテンツが多いのが実状です。
逆に、公式サイトはこういった権利を有する会社などに対して支払いをする必要もあり絶対に課金をする必要があるのです。
(無料と唄っていても、どこかで必ず課金の仕組みがあります。)
着うた(R)にしろ、待ち受けにしろ公式サイトでDLできるものというのは大体同じなんです。
切り出し所が決まっていたり、貰う画像データが同じなんです。
実際に、映画やアニメなどの宣伝するサイトが複数あっても使われている画像は同じだったりしますね?
あれと全く同じなんです、少なくとも配信会社側で勝手にアレンジしたりするのは基本NGなのです。
例えば、トコトコと歩く○○というキャラクターのFlash待ち受けが欲しいとする。
でも、配信会社に貰えるデータというは宣材用のキービジュアルだったり、設定画だったりで「携帯用に歩く○○用のデータは存在しない」ので作ることができないのです。
特に携帯なんてのは公式サイトでも1DLにつき数百円で、そこから数%が権利側に支払われるわけですから、「歩く○○の携帯用データ」を作成するコストを考えると権利側は作りません。(作るメリットがありません)
それならDVDやその他のロイヤリティの高いものを作成した方がよいのです。
しかも携帯のflashの場合、所謂jpgやgifなどのラスタデータだと100KB制限にすぐひっかかってしまい、できればパスデータで書かれているaiデータが必要なんですが、アニメや映画なんかパスデータで貰えるものなんてのはロゴデータぐらいなので絶望的なんです。
そうすると、適当な画像でランダムやカレンダー、時計、紙芝居程度のものしかできないのが実状です。
目を瞑るだけのflashを作るのも技術的には20KBぐらいで簡単に作成できるはずなのに、大人の事情が絡むと100KBギリギリになったりして非常に面倒なのです。
だから、個人で作るのです、そして個人で楽しむのです。
これなら家で落書きしてるのと変わらないので法律的にも問題ありません。
自分の欲しいものが自分でオーダーメイドできるというのは結構楽しいものです。
さて、ウサコッツflash待ち受けを作ろう…
上記のような目的をもって、当サイトの2008-03-28の記事を検索して来る方がいますが、その時点で諦めた方が最終的に賢いかもしれません。
該当記事にも追記したのですが、inkscapeはイラストレーターではないので、そこを勘違いされている方がかなり多いようです。
そんなの分かってて、逆に独自だから別のツールで開きたいんだよ!って声は十分理解できるのですが、オープンソースのものや海外のフリーウェアのものってのは「触ったりマニュアルを見て自己解決の文化」で成り立ってるんですよね。
その自己解決が、「他者」解決になっているといつか困ることがでてきます。
CMYKが不完全で印刷に向いてないとか、PDFに吐き出すとぼかしが効かなかったり、PNGの吐き出しが微妙におかしかったり、「そういう微笑ましいバグ?」と上手く付き合っていくのがフリーウェアの精神だと思うんですよね。
それはお金で解決できるかもしれませんし、根性かもしれませんし、自分のスキルかもしれませんし、無理なものは無理と諦めることかもしれません。
そういう気持ちで使うとフリーウェアをストレスなく、機能に不満を持たず使っていけると思います。
海外で且つ、Linux文化で育ったツールがwindowsに移植されるというのはそれなりに癖やバグが存在しえます。
いつか、inkscapeでもaiファイルを読める時が来るかもしれませんし、開発が停止する可能性もあります。
inkscapeは素晴らしいツールですが、aiコンバーターでもイラストレーターの代理品でもありません。